【初心者向け】MCP (Model Context Protocol) とは?AIエージェントと社内ツールをつなぐ「世界標準規格」を解説
- 峻 福地
- 2025年11月29日
- 読了時間: 6分

1. まず前提:AIエージェントが本格的に使われ始めた
ChatGPT や Gemini をはじめとする LLM が賢くなり、「ただ答えるだけ」から一歩進んで、こんなニーズが急速に増えています。
メールを読んで、返信文まで作ってほしい
Salesforce や HubSpot のデータを見て、顧客リストを作ってほしい
Google Drive の資料を読み込んで、要約や比較表を作ってほしい
社内ワークフロー(申請・承認)を AI エージェントにある程度任せたい
つまり、「テキストで答えるだけのチャットボット」ではなく、
“実際にツールを操作して仕事を進める AI エージェント”
が求められるようになってきました。
ここで必ず出てくるのが、
どうやって社内のツールやSaaSを LLM / AIエージェントと安全につなぐか
それをどうやって再利用しやすい形で「ツール」化するか
という課題です。
2. いまのままだと何がつらいのか?
素の ChatGPT や独自エージェントから、個別に API を叩く構成だと、現場はこんな状態になりがちです。
チームごとにバラバラに API 連携コードを書いている
ツールごとに認証方式・パラメータ・レスポンス形式がバラバラ
新しい LLM / エージェント基盤を試すたびに「また同じ API 連携を作り直し」
セキュリティレビューのたびに「このエージェントはどのシステムに何ができるのか?」が分かりづらい
要するに、
“LLM 本体は賢くなっているのに、ツール接続周りは昔ながらの個別開発”
というギャップが起きています。
ここを整理しよう、という発想から出てきたのが MCP (Model Context Protocol) です。
3. MCP (Model Context Protocol) とは?
すごくシンプルに言うと、MCP は
「LLM / AIエージェント」と「外部ツール・データソース」をつなぐための共通ルール
です。
もう少し噛み砕くと:
LLM が「どんなツールが使えるか」を一覧取得するルール
各ツールが「どんな引数を受け取って、何を返すのか」を宣言するルール
ツール呼び出しのリクエスト&レスポンスの標準的な形式
追加で、ファイルシステムにアクセスしたり、ストリーム的にレスポンスを受け取ったりするための拡張
を 共通のプロトコル として定めたものです。
なぜ「プロトコル」が必要なの?
プロトコルがない世界では、
ChatGPT 用に API ラッパーを作る
別で Gemini エージェント用にも API ラッパーを作る
n8n / Dify / LangGraph 用にも別々にラッパーを作る
…といった「ラッパー地獄」になりがちです。
MCP の発想は、
「ツール側は MCP という共通仕様にさえ対応しておけば、どの LLM / エージェント基盤からも同じように使えるようにしよう」
というものです。
図式的にはこんなイメージです:
従来:各エージェント → 各ツールにバラバラに接続
MCP:各エージェント → MCP サーバー → 各ツール
4. MCP の世界で出てくる「MCP サーバー」とは?
MCP では、ツールやデータソースは 「MCP サーバー」 として公開されます。
MCP サーバー:
ある「まとまり」のツール(メール操作、カレンダー操作、CRM操作など)を提供する
自分が持っているツールの一覧を LLM に教える
「このツールを、こういうパラメータで呼んでね」と仕様を宣言する
呼び出しを受けたら、実際の API やデータベースにアクセスして結果を返す
エージェント側から見ると、
「利用可能な MCP サーバーの一覧を聞く」
「その中のツールを呼び出す」
という一定のパターンで、どんなツールであっても扱えるようになります。
5. MCP を使うと何が嬉しいのか?
① ツール接続の「再利用」がしやすくなる
一度 MCP サーバーとして作ったツールは、
ChatGPT のカスタムアシスタント
n8n のエージェント
自社の独自エージェント基盤
など、複数の場所から同じ仕様で使い回しできます。
② 開発と運用の責任分担がしやすい
MCP サーバーを作る人:
API の認証・エラーハンドリング・ログなどをしっかり実装
エージェントを作る人:
「どのツールを、どんなタイミングで使うか」という“仕事の流れ”に集中
という役割分担がしやすくなり、組織内でのスケールもしやすくなります。
③ セキュリティ・ガバナンスを効かせやすい
どの MCP サーバーが、どのシステムにアクセスしているか
どのエージェントに、どの MCP サーバーを使わせるか
を制御すれば、「エージェントに何をさせるか」の境界を明確に管理できます。
6. とはいえ…MCP サーバーをイチから書くのは大変
ここまで読むと、
「なるほど、MCPが大事なのはわかった。でもうちで MCP サーバーを全部手書きするのはキツい…」
という現場も多いはずです。
現実的なハードルは:
各 SaaS の API 仕様を読み解き、MCP 仕様に沿ってラップする必要がある
認証・リトライ・エラー処理・ログ出力など、インフラとしてそれなりの品質が必要
ツールを追加するたびに、開発者がコードを書いてデプロイする必要がある
つまり、「プロトコルとしての MCP はいいんだけど、実装コストが地味に重い」という問題が残ります。
7. そこで出てくるのが「ノーコード MCP サーバー」としての Agens
Agens は、この「MCP サーバー開発のしんどさ」を解消しようとしているサービスです。
一言でいうと:
Agens = ノーコードで作れる MCP サーバー+ エージェント向けの共通ゲートウェイ
です。
7-1. Agens で何ができるのか(ざっくり)
SaaS や社内システムとの接続を GUI で設定
Google Workspace, Slack, Salesforce などを画面から選んで接続
認証方式(OAuth など)もウィザード形式で設定
「AIエージェントに使わせたい操作」をチェックボックスで選ぶ
例:
Gmail の「メール送信」「下書き作成」
カレンダーの「予定作成」
CRM の「取引先検索」「活動履歴の登録」
選んだ操作が自動的に MCP ツールとして公開される
ChatGPT や n8n のエージェントから、「Agens の MCP サーバー」を指定するだけで利用可能
権限やログを共通で管理できる
どのユーザー・どのエージェントが、どのツールをいつ使ったかを把握
社内ルールに合わせた制限(この部門はこのツールだけ、など)も設定しやすい
コードを書くかわりに、画面上の設定で MCP サーバーの中身を組み立てるイメージです。
8. MCP を導入したい組織にとっての Agens の位置づけ
MCP の思想に共感しても、
「自社で MCP サーバーを書くリソースまではない」
「でも将来、ChatGPT 以外のエージェント基盤も使いたい」
「ツール接続を個別開発したくないし、ガバナンスも効かせたい」
という企業は多いはずです。
そうした企業にとって、Agens は:
MCP をベースにした “ツール接続レイヤーの共通基盤”
ノーコードで MCP サーバーを増やせるツール
各種エージェント基盤(ChatGPT, n8n, 独自エージェントなど)の “共通の入り口”
として振る舞います。
9. まとめ:MCP × Agens で「エージェント接続の土台」を先に整える
最後にざっくり整理すると:
これからの AI 活用は「答えるだけ」→「実際に手を動かすエージェント」へ
そのときに必須になるのが、「ツール接続を標準化する仕組み」としての MCP
ただし MCP サーバーを全部手書きするのは現実的にしんどい
そこで Agens がノーコード MCP サーバー として
社内SaaSやシステムとの接続
MCP ツールの定義
権限・ログ管理をまとめて引き受ける
という構図になります。
「とりあえず ChatGPT に直接 API をつなぐ」ではなく、最初から MCP ベースの共通レイヤー(=Agens)を用意しておくことで、
将来ほかのエージェント基盤を使うときも再利用が効く
セキュリティ・ガバナンスを最初から整理できる
PoC 止まりではなく、本番まで見据えた設計がしやすい
といったメリットが得られるはずです。



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